退院支援、むずかしい?~訪問ナースへの道はまだ遠い病院ナースの独り言

大学病院での勤務と在宅医療の現場をへて、今は都内のとある地域病院で病棟勤務をしています。在宅医療をやりたくて長年勤めた大学病院を辞めたのに、なぜか再び病院勤務…それも病院としては比較的小規模の、地域密着型の病院。

大学病院でバリバリ仕事していたのははるか昔のこと、いまは小さな病院で平スタッフとして働いています。本当は在宅やりたいのに病院で働いているわけは…

4年前のこと、以前働いていた大学病院のOBである今の病院長から「ボクの病院で訪問看護をやるんだけど、来てくれない?」と誘われたんです。その当時は訪問診療のクリニックで働いていたので、「やりま~す!」と二つ返事で承諾し転職しました。訪問看護をやる構想は出来ていて、併設している看護師寮の一部を改装してステーションにする、これからスタッフも集めていきましょうという段階でした。まだ構想段階だけれど、いろいろ準備していくのは面白いし自分が主体になって作っていけるというのはすごく魅力のあること。

とりあえず病棟に配属されて仕事をしつつ、勉強会に行ったり事務長と開業支援セミナーを受けたりして進んでいるようにみえた矢先…コロナ禍です(涙)

地域密着型の小さい病院、コロナ患者を受け入れるほどの設備もなく発熱外来をするのがせきのやま。ご存じのとおり外来患者数は減り入院もクラスターが起これば閉鎖をし、経営は大打撃。「あたらしい事業を展開する余裕はなくなった」というわけで訪問看護事業は白紙に戻り、結局そのまま病棟スタッフとしてお仕事をさせてもらっています…。

…つまり訪問看護ステーションを作ってもらえるなんていう美味しい話にちゃっかり乗っかれなかったというだけのコト。

仲間とは「騙されましたね」「院長の人たらし」「やるやる詐欺~」など冗談交じりに言っていますが、まあ仕方ないと自分を慰めつつ、自分のやれることをやっていくしかないと今を過ごしているわけです。自分のやれることをちゃんとやらなければ、自分の存在意義がないといいますか、自尊心をたもてないといいますか…結局自分のこれまでのキャリアが腐っちゃう感じがして自分の心が荒れちゃうんです。

今の病院でいちスタッフとして働いている自分のできること、それは退院支援

在宅医療ってお家に訪問して直接看護することだけじゃなく、病院から地域へしっかりつなぐことも大切。もっと言えば、病院だって地域の一部。いつも思うんですが、病院って非日常?病気になるとか入院するとかって非現実?そんなことはなくて、病気とか入院とかって日常の中というか人の生きる時間軸の中にあるというか。…うまく表現できなくてすみません。

つまり、とにかく今は病院勤務しているんだから、訪問看護ステーションを立ち上げられるまでは、在宅につなぐ退院支援をしっかりやろうと頑張っているわけです。退院支援は自分が一人ですることではないので、一緒に働くスタッフも巻き込んでいかなくてはいけません。みんなにも退院支援の必要性とかやり方とか伝えていって、みんなで協働していくことが大事。

幸い大学病院勤務時代は教育委員なんかやっちゃったりして、勉強会を進めたりとかチームを構築するとかの経験は山ほどあります。自分が率先して退院支援をやりつつ勉強会をしたりみんなをけしかけたりして、自分ができることをしっかりやっていくことで、なんとか自分の心を腐らすことなく頑張れています。

さて、では実際退院支援は難しいのか…?

正直、私は難しいことだと思いません。もちろん簡単でもありません。ちょっと難しくて、でもナースとしてとてもやりがいのある仕事。っていうか、これって看護そのものじゃないかな~と思うんです。

というコトで、退院支援のあれこれもこれから綴っていこうと思います。在宅医療の現場での経験も振り返っていきます。訪問看護ステーションをちゃっかり作ってもらうことは失敗したので(笑)自分で作っていく奮闘記も綴ります。

少しでも多くの読者さんに読んでもらえるよう頑張ります。

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