ステーション開設して5ヶ月目の現実〜利用者獲得編

前々回の投稿「開業して5日間」から早や4ヶ月も間が空いてしまいました。途中道迷いのおじいちゃんの話を挟んだりして、肝心のステーション開業後のその後は謎の空白になってしまいました。正直言って、「水の中でもがいていて、沈みはしないけどそれほど進んでもいない。目指す岸はまだ遠く」みたいな状況ですね。

開業した頃は、営業を頑張って初月は利用者数人、でも半年で30人くらいになったらいいでしょう・・・と目論んでいました。しかし現実はそう甘くなかったのです。4月、5月、慣れない営業に回っても全然手応えなし、とある居宅支援事業所には「毎日毎日いろんな訪看ステーションさんが来てね〜たくさんステーションがあるからね〜」と言われ全く相手にされてない感に心が沈みました。

開業してからSNSでの発信もしてきました。Instagramでは、他のステーションさんの状況も覗かせてもらえます。同じ時期に開業して、どんどん盛り上がっていくステーションさんも少なくありません。羨ましがっている場合じゃないので、自分たちとどこが違うのか、自分たちに足りない物は何かを探ってみました。

まずは、開業までに近隣や関係各所へのアピールが足りなかったということ。指定を受ける前には営業をしてはいけないと言うのを額面通りうけとって、4月1日から営業まわり・・・では遅かったのです。全く新しい事業所を認知してもらうのには結構な時間と労力が要ります。関係各所への挨拶回りはもっと早くやっておいてよかったのだと反省。

そして訪問看護ステーションという看板だけでは、全然足りなかったということ。私たちの強みをアピールし、他との差別化を図らないと依頼なんて来ません。特にこの場所は長くこの場所で活躍されてきた実績のあるステーションだったり大手企業のステーションだったりが多い場所。個人が立ち上げた小さな事業所は名も無い雑草程度の存在だと実感。

これからステーション立ち上げを考えるなら、しっかり戦略をたてなければいけません(そういえば立ち上げのマニュアル本には明記されていたはず…)。競合の少ない場所に開業するのか、競合が多いなら他との差別化をどう図るのか、新しい事業所はどうやって認知されるのか、営業は量で勝負か質で勝負か・・・などの戦略です。戦略をたてる重要性は、準備段階で耳タコだったはずですが、甘く考えていた自分を叱責。

反省は多々ありますが、過ぎたことは今後に活かしましょう。そんな雑草ステーションでも依頼をいただくことができ、少しずつ訪問看護のお仕事をさせていただいております。

まずは、近所で地元密着の診療所を営む先生からの依頼をいただきました。なんとその先生は大学病院時代に一緒に働いた旧知のドクターだったのです。開業のご挨拶に伺い数十年ぶりにお会いしたところ、早速一件ご紹介いただきました。ありがとうございます。

ほかには、地域包括センターでの他職種連携の研修に参加した際の同じグループだったケアマネさんから、その場で紹介していただきました。やはり顔を合わせて話をするって大事ですね。他職種で顔を合わせて話をするチャンスは、これからも逃せません。

親しくしている訪看ナースさんの紹介で、デイサービス利用者さんの健康管理の業務委託のお仕事もいただきました。業務委託もありがたいですが、そのつながりでケアマネさんから新規の利用者さんの依頼もいただきました。人との繋がりって、本当に大事です。

また墨田区外の病院から退院する患者さんのご依頼もいただきました。その方のお住まいが、このステーションの近くなのです。きっと、他区の病院だから墨田区内の情報は少なくて、利用者さんの住所から検索したのでしょう。墨田区の外れにあるこのステーションの立地が功を奏しました。実際この近隣は高齢化率が墨田区内でも高いので、利用者さんは潜在していると思われます。

ようやく依頼をいただいて、訪問できるようになりました。0→1を達成することができました。でもここからが大事なところです。私たちに依頼してよかった、訪問に来てもらえてよかった、と思ってもらえるよう頑張らなければなりません。そして自分たちの強みをしっかりアピールしながら営業を続けていくこと。

まだまだ始まったばかり、0→1は大変だけれど、1を10倍100倍にしていくのはもっと大変なはず。水の中でもがいているだけではいつか疲れて沈んでしまうので、遠くに見える岸までちゃんと泳げるよう技術も体力も、息継ぎの仕方も習得していこうと思います。

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